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脳動脈解離

[2022.08.04]

「千鳥」のノブさんが椎骨動脈解離で入院、というニュースがあったので、椎骨動脈解離について少し解説を載せてみます。

脳動脈解離は主に内頚動脈、椎骨動脈に起きます。

欧米と比べると日本では椎骨動脈解離が多いと言われています(星野晴彦:脳動脈解離による虚血性脳卒中の内科治療.脳卒中40:451-455, 2018)。

脳動脈解離は動脈硬化などの血管危険因子との関連はあまりなく、若年〜中年(20〜60歳)に多くみられます。

原因として、交通事故などの外傷、ゴルフなどのスポーツによる頚部のひねり、カイロプラクティックなど、

遺伝的要因(Ehlers-Danlos 症候群、Marfan症候群、高ホモシスチン血症、線維筋異形成など)による血管脆弱性、

その他(片頭痛、喫煙など)が言われています(Thanvi B, et al : Carotid and vertebral artery dissection syndromes. Postgrad Med J 81: 383-388, 2005)。

症状として、頭痛が最も多く、数日間続くことが多く、椎骨動脈系では数週間続くこともあります。頭痛や顔面痛は片側であり、多くは解離した動脈と同じ側に起きます。内頚動脈解離では前方、椎骨動脈解離では後頭部〜後頚部に現れます。

椎骨動脈解離では、めまいで発症することもあります。その場合、延髄に脳梗塞(延髄外側症候群)が起きている可能性があります。

また、縮瞳や眼瞼下垂(Horner症候群)などの症状がみられることもあります。

動脈解離が進行すれば、くも膜下出血となることもあります。

診断には、MRI・MRAが重要であり、BPAS(basi-parallel anatomcal scannning)も有用です。

治療は、血圧や疼痛管理で経過をみることが多いです。抗凝固療法や抗血小板療法が検討されることもあります。

 

今回、ノブさんは脳梗塞などになることもなく軽度だったようです。

早く退院して、またテレビで活躍する姿を見られるよう祈っております。

 

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