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脳梗塞

[2022.09.25]

これから寒くなる季節ですね。

朝、ベッドの中と外

夜、お風呂に入る前後

など

気温差が大きくなることが予想されます。

その影響で血圧の変動が大きくなり、

血管への負担も大きくなります。

脳梗塞の危険もあるため

(厚生労働省 入浴関連事故の実態把握及び予防策に関する研究)、

脳梗塞について大まかにまとめました。

 

まとめ

脳梗塞とは、脳の血管がつまってしまい、症状が出現

麻痺やろれつが回らないなどの症状は様々

脳梗塞となる原因は不整脈や動脈硬化など

CTやMRI検査などで診断や原因検索が行われる

症状が出現してから早く受診すると治療法の選択肢が多い

リハビリテーションは長い期間かかり、とても重要

 

脳梗塞とは

脳の血管(脳動脈)がつまり、

脳細胞に酸素や栄養が届けられなくなることで

脳細胞が死んでしまい

脳機能が十分に果たせなくなってしまう疾患です。

 

原因によって大きく3つに分類されます。

1. 心原性脳塞栓症

 心房細動などの不整脈や様々な原因により心臓の中に血液の塊(血栓)ができ、

それが脳の血管へ流れていき、つまってしまうタイプ

2. アテローム血栓性脳梗塞

 脳の太い動脈に動脈硬化でできた血栓がつまってしまうタイプ

3. ラクナ梗塞

 脳の細い動脈に動脈硬化などで血管がつまってしまうタイプ

それ以外にも色々なタイプの脳梗塞があります。

それぞれの原因にあった急性機治療、予防が行われます。

 

症状

脳梗塞となった部位により症状が異なります。

主な症状として

 右側や左側など片方の手足が動かしにくい(片麻痺)

 片方の手や足の感覚がにぶい、しびれる(感覚障害)

 ろれつが回らない(構音障害)

 視野の一部が欠ける(視野障害)

 話そうと思っても言葉が出てこない、言葉が理解できない(失語)

 片側の空間の認識ができない(半側空間無視)

 脳の広範囲に梗塞が起きると声をかけても反応が見られない(意識障害)

などがあります。

また、これらの症状が一時的にみられる一過性脳虚血発作(TIA: Transient Ischemic Attack)というものがあります。

多くの場合、1時間以内に症状は改善して元通りになりますが、

近い将来、脳梗塞になってしまう危険性があります。

  2日以内に脳梗塞となる危険性

  0〜3点:1.0%、4〜5点:4.1%、6〜7点:8.1%

  (Johnson et al., Lancet, 369, 283-292, 2007)

そのため、症状が改善したから安心するのではなく、

なるべく早く医療機関を受診して

脳梗塞にならないよう予防していきましょう。

 

検査

頭部CTや脳MRI:脳出血か脳梗塞か、判断します。結果によっては原因が推定できます

血液検査:症状の原因や脳梗塞の危険性を評価します

ホルター心電図・心エコー:脳梗塞の原因となる不整脈や血栓などがないか検索します

頚動脈エコー:脳梗塞の原因となる動脈硬化などを評価します

 

治療

・t-PA

症状が出現してから4.5時間以内であり、条件を満たせば、

t-PAという血栓を溶かす薬を投与できます。

効果も期待できますが、脳出血などの危険性もあるため

専門医と相談しましょう。

・血栓回収療法(カテーテル治療)

症状が出現してから24時間以内であり、

病院によっては血栓回収療法が検討されます。

足の付け根や腕などの太い血管からカテーテルという管を入れて、

脳の血栓がつまっている血管まで移動させます。

血栓を吸引、回収して、脳の血流を回復させます。

・脳保護薬

腎機能が保たれていれば、検討されます。

・抗脳浮腫薬

脳梗塞の範囲が大きい場合などに検討されます。

・再発予防薬

検査結果により脳梗塞となってしまった原因が判明すれば、

脳梗塞が再発しないよう原因に合わせた治療が開始されます

(抗凝固薬や抗血小板薬、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの改善、禁煙や節酒など)。

・頚動脈ステント留置術、頚動脈内膜剥離術

頚動脈エコーなどで頸動脈に高度狭窄が認められた場合に検討されます。

 

リハビリテーション

状態がある程度安定していれば、入院して早々にリハビリが開始されます。

入院1ヶ月前後で回復期リハビリテーション病院へ行くことが多く、

リハビリスタッフの充実度(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士それぞれの人数)や

リハビリ設備、

リハビリ時間数(1日何回、何時間、土日もあるのか)などを参考に

転院先を決めましょう。

 

脳梗塞となってから6ヶ月を経過しても症状が残存している(後遺症)場合、

身体障害者手帳を申請し

経済的な補助などを受けられるかもしれません。

当院では、その申請に必要な申請書を記載できるよう準備しています。

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